この映画を観て、本物の剣士というのは滅多にお目にかかれない。後は刀もろくに扱えない素人なんだなぁと、お互い釣りをし会話しただけなのに（しかも相手は盲目）なのに互いの力関係が分かる関係、凄いですね。

「お前みたいな男を待っていたぞ！」と言わんばかりに静かに酒を飲み合う。座頭市もなんか顔が楽しそうで、相手の剣士の体を気遣い体をほぐしている。

僕は二人の短いながらに男同士の友情・絆に胸を打たれました。

決戦、倒れる平手造酒を抱きうずくまる座頭一、酒の席で平手造酒に優しく体をほぐしていたように遺体にそっと自分の服をおくシーンには不思議な感動を味わいました。座頭一は平手造酒を切ったのです、しかし二人の関係は酒をかわした時のように変わらず「いい土産が出来た…」といわんばかりの平手造酒。座頭一もこんな時代・こんな状況に平手造酒に出会う運命、その複雑な関係が座頭一の表情に出ていたように感じました。

映画の時間でいったら、座頭一が刀を抜く時間なんざ絶対１分も無いまさしく「金返せ！的な映画」ですが、いやいや素晴らしいです。おたねさんの月夜のシーンもいいですよね、満月をバックに座頭一とイチャつくおたねさんの美しさときたら…！素晴らしく感動しました。