今作の新キャラの登場シーンはどのパートも素晴らしく、特にフィンの登場シーンは衝撃でした。名も無きストームトルーパーに感情を持たせた事は斬新。傷ついた兵士の死で動揺し戦闘不能に陥る様を、見事にテンポ良く描くんです。その横でカイロ・レンのレーザー止めはやられました。あのアイディアは最高に格好いいですね。その後のフィンとポーとのくだりですが、タイ・ファイターを盗もうとするシーンで、ポーが「凄え。タイ・ファイターだぜ！」と興奮して言うシーンがとても好きで、反乱軍のエリートがそう言うと、何気ないタイ・ファイターがとても格好良く見えるんです。反乱軍もしくは帝国軍も、敵国の戦闘機を生で見ると純粋に兵器の格好良さに興奮するんだと思った。そのシーンで、機動戦士ガンダム逆襲のシャアを思い出しました。民間用の旧型ハイザックを見た連邦の軍人が「いくらなら売る？」というシーンがあったんですよ。SWもガンダムシリーズも戦闘機一つ取っても歴史を感じさせる良いセリフだと思いました。そんな中、盗んだピッカピカのタイ・ファイターで、ポーが操縦しフィンが敵の戦闘機を打ち落とした時「フォー！！」と威勢良く言うんです。そのリアクションは、まるで観客に「どうだ！お前らも上がれよ！！」と言っているかのようで大変盛り上がりました。その後タイ・ファイターは撃ち落とされ二人は離ればなれになるんですが、フィンとポーのくだりはもっともっと観たかったですね。

フィンが地上で下りた後のレイとBB-8のシーンも印象的でいいですね。BB-8が敵の兵士と勘違いするんですよ、当然ですよね。レイもフィンをとっ捕まえようとするんですが、そこでファースト・オーダーが現れ、市場ごと爆破するんです。お互いの関係性がよく分からないまま、3人一緒に逃げまどうシーンはコミカルで大変面白い。しかも爆破シーンもかなり迫力があるんで、観てる僕は「早く逃げろー」と興奮して観てました。しかし新キャラのBB-8のキャラはかなりの確信犯でクソ可愛いんですよ。個人的には感情入れすぎじゃねーか！と怒りたくなるほど憎たらしい行動とるんですよ。「キュー‥」とか言ってさ、相当の萌えキャラです。そんなBB-8ですが、可動部分が球体になっててそれがタイヤのようにクルクル回って実際に動けるんですよ。そこはホントに凄くて、空爆シーンでレイとフィンが全力で逃げている後ろで、BB-8が追いかけてくるシーンをカメラのフレームに同時に収めるというのは過去作のR2-D2とC-3POでは絶対無理で、R2-D2だと別のカットでごまかしてたじゃないですか。それが今回は役者と一緒にBB-8も同じショットで見せる画図はちょっと新鮮で凄いです。中盤でも飲み屋でレイが地下階段を下りて、その後ろからBB-8が階段を「ゴン‥ゴン‥」と下りるんですよ。あの行動範囲は地味に凄いよな。その後ミレニアムファルコンに乗り込み、ハン・ソロとチューバッカに出会うんですが、今まで新世代のSWを観てたのに往年のスターを二人登場すると、グッと旧作のスターウォーズ感が増しますね。その後賞金稼ぎ共と一波乱あるんですが、ハン・ソロとチューバッカが海賊共をバンバン倒し、その下でレイとフィンが逃げまどうという主役が逆転したようなシーンは旧作ファン向けなんだろうが、きっとレイもフィンも伝説的な戦士の姿に感動したに違いない。

その後のレイア将軍とR2-D2とC-3POの登場に感動。反乱軍の拠点で、ルークの居場所を兵士全員で分析してる様子や、その裏ではファースト・オーダー達もルークを血眼に探している状況に、この映画に置けるルークの存在の大きさを再度感じてしまいました。カイロ・レンが実はハン・ソロとレイアの子供だという事に驚き、キラースターという馬鹿馬鹿しい名前の惑星に乗り込み、ハン・ソロは実の息子と再会し殺されるんですが、その時の劇場のざわめきは凄かったですね（公開二日目19日）。僕も隣にいた知らない女性も刺された瞬間、驚きのあまり同じリアクションを取ってしまって恥ずかしかったです。その後のチューバッカの怒りのアフガンも最高で泣けました。泣けましたね。あのシーンは。

クライマックスですが、キラースターが爆発寸前で逃げるレイとフィンの前に、カイロ・レンの登場し道をふさぐと、フィンがライトセーバーを握りしめ戦闘態勢を取るシーンは相当のカタルシス。鳥肌モノでした。まさしくこれ以上に無い展開。しかしフィンが健闘するもカイロ・レンの前では歯が立ちそうにない。フィンの手から放れ地面に落ちたライトセーバーを、カイロ・レンがフォースの力でライトセーバーを抜こうとしたら、それをレイがライトセーバーを奪うシーンで僕の思考回路は壊れ、子供のように純粋に映画を観ていました。カタルシスの連続。周りが崩壊していく中、ライトセーバーがぶつかり合う音、空を切ったライトセーバーが周りの木をなぎ倒す破壊力に美しい情景。レイはライトセーバーを振り落とす事に強くなる。まさしくフォースの覚醒。その後大地が裂け、とどめは刺せなかったですが、カイロ・レンは相当肝を冷やしたでしょう。まさしくラストを飾るにふさわしい素晴らしいシーンでした。しかし、その後のルーク・スカイウォーカーの登場シーンで泣きました。やんちゃなルークの面影がありつつも、老けた、いやそれだけでは語れない色々な思いが募った表情をしているんです。それは彼の役者人生ですらも感じさせる表情。スターウォーズという呪縛もあったと思います。そしてレイがライトセーバーをルークに渡すシーンは「ズシン」と僕の心に響きました。

見所満載で語れない。ポーが出撃し敵を殲滅する格好良さは2014年のGODZILLAの上陸シーンくらい格好いいよ。オープニングで今までにないスターウォーズ感で行くのかなと思ったら、途中からオールドファン向けにシフトする様もこなれているし、カイロ・レンのベイダーにない未熟者っぷりも見ようによっては笑えるし、彼もこれからフォースが覚醒していくんだろう。