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[コメント] 二十四時間の情事(1959/仏)

この映画のコメントはバラバラで面白かったです。色んなことを考えさせられる映画なのかな。2003.8.11
鵜 白 舞

私は広島に旅行したことがある。昔から憧れていた厳島神社を見て、牡蠣の美味しさに感動して、原爆ドームに行って、お好み焼きを食べた。何が一番印象的だったかというと満潮を向かえた厳島神社の景色だった。だから広島と聞いて何を連想するかと問われば、宮島が真っ先に浮かぶ。さらに8月6日はと問われても、真っ先に浮かぶのは原爆ではない。

映画の彼女は広島で恋をした。過去の思い出を捨て去れないロマンチックな女。彼女の中で、昔の恋はヌベールの町や戦争と結び付けられている。今回の恋は広島と結びつけられた。きっと広島が内包する街の景色や原爆や反戦運動でさえもが、彼女に恋を思い起こさせるものになるのだろう。

これからの彼女は、原爆の惨たらしい写真を見て涙しながらも、別の心ではほろ苦い恋の記憶に酔いしれることだろう。しかしその恋が彼女の広島。私には厳島神社の広島。被爆した人には原爆の広島。時代や個人によって連想するものが異なるのは当然で、それを他人がとやかく言うものでもない。広島という言葉や8月6日から原爆は切り離せないが、内包されるものであってもイコールではないと思った。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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