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[コメント] 攻撃(1956/米)

堕ちた駄目人間ほど無残な代物はないのかも。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ジョーは死しても彼の魂は死せず。

ラストで、ジョーとクーニーの死体が並置されているのが皮肉っぽい。死んでしまったら全てが終わりなのだろうか。否。確かにクーニーなぞ誰の記憶にも残らないだろう。だが、ジョーはどうだろう。ウッドラフの電話がラストにあること。そこに微かな光明が見出せてくるではないか。

***

最初、クーニーと自分が重なって見えるような気がした・・・が違った。

全身全霊の力を尽くすジョーの指先から薄ら笑いを浮かべ、拳銃を遠ざけるクーニーに人間の屑を見た。もはや彼は「臆病者」の範疇に納まりきるものではない。やって良いことと悪いことがある(怒)。2人の関係は《渾身‐腐敗》である。ところが定石通りではなく、ジョーは意を遂げずして絶命してしまう。クーニーはあっさり射殺される。

憤懣やる方なく物語的カタルシスはない。クーニーが葬り去られたのは良しとしても後味が良いとはいえない。まあ、現実にはもっと醜悪な事例もごろごろとあるのだろうな。これは軍隊に限ったことではないだろうけど。

***

なんといってもクライマックスのジャック・パランス!凄過ぎる。久々に眼を釘付けにさせられたシークエンスだ。映画を観ているこちらは勿論、撮影現場にも相当な緊張感が満ちていたのではないだろうか。私も神に祈りたくなってきたほどだ。名演ならぬ「鬼演」である。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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