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[コメント] ブラック・スワン(2010/米)

評価が高いのは分かる。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







だからと言って好きな映画ではなかった。むしろ大嫌いだ。全編に渡って提示されるのは「痛み」と「不安」だ。背中や指や足、これらの痛みの描写は思い出しただけでもぞわぞわする。極めつけは最終幕前後のニナの腹の負傷描写。耐えられない。この監督を有名にした『π』は大好きな作品だが、むき出しの脳味噌や強烈な頭痛といった描写満載だった。それから全く変わってないんだな。この監督はサディストなのか?

また不安の描写も堪らない。ナタリー・ポートマンの「ハ」の字の眉と「ヘ」の字の唇、歪んだ顔。見るに耐えない。だからこそアカデミー主演女優賞も獲れたんだろうが、逆に大根役者がニナの役を演じれば良かったのに。それだったらリアリティがなくて良かったのに。

何故ここまで不快なのか?それらは上記のように監督の力量とナタリーポートマンの演技力だ。これらがしっかりしているから不快なのだ。主役バレリーナのメンタル崩壊などというテーマは誰がどうやっても楽しい話ではない。むしろ頑張って作れば作るほど、その後味は悪くなる。料理に例えるなら、このテーマは言わば悪臭を放つ腐った食材だ。それを名シェフが最高の調理法でコース仕立てで提供する。確かに見てくれは良いかもしれない。しかし食べてみると臭いのだ。見てくれが良い分、その臭みへの落差が大きいのだ。そう自分は感じた。観るのが辛かった。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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