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[コメント] バルカン超特急(1938/英)

苛々しっぱなし。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







2に近い3点。

なんつーか、マイケル・レッドグレーブは紳士でもなんでもない。 序盤で見せた人の迷惑を顧みない行動に血圧が上がった。と思ったら列車ではちゃっかりヒロインに付き添ってる。何の説明もなくいい奴になっているところが気持ち悪い。

この作品は奇術だ。話中にも登場するが奇術はマジシャンによって完全に統率された妖しい一連の劇だが、ある意味バルカン超特急も同様だと思える。窓に残された指の跡が消えるシーンや紅茶のパッケージが窓に一瞬張り付くシーン。まずありそうもないような非常にマジシャン=ヒッチコックに都合のよい展開が堂々と描かれている。マジシャンが観客を自らの術中に嵌らせている。私も作品に引き込まれていったのだがしかし、そういったテクニックみたいなものは大嫌いだ。最初からヒッチコックに嫌悪感を抱いているため理由がどうとでもつけられるが、あまりに露骨過ぎるのが一番の原因だろう。

それはともかく、中盤辺りからはもはやラストで如何にカタルシスを得て、苛々を霧消できるかに全てを懸け祈っていた。彼女はスパイ・・・ふーん。安直過ぎるラストに撃沈。

バルカン超特急』の方が列車内部という設定を巧く生かしているが私は『オリエント急行殺人事件』に軍配。それでもまあまあの面白さがあり最後まで退屈はしなかった点は評価する。当時の作品の中では面白い方だろう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] 山本美容室 kiona

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