◼️今更観たことのない有名作品をコロナ自粛だから観たシリーズ

実際に起きた悲劇、生き延びようとしても虚しく死んでいく乗客を延々と描くのは悪趣味。 これは再現なのだ。ＳＦなら人が死んでも特に何も思わないだろう。 例えばトータルリコールで地球の銃撃戦のシーン。エスカレーターの乗客。 シュワルツェネッガーに盾にされる死体がある。ひどいな、とも思うけどそれだけだ。 しかしタイタニックは違う。事実だと分かっているものだ。 皆、当然生き延びたかっただろう。 それを当時の多分最新の技術を使って、悲劇を再現し続ける。

あくまでもメインテーマはジャックとローズのラブストーリーであり、いかに２人が逃げ延びるかだ。 つまりその他数多の乗客は添え物。 長い割りに人物描写が甘いのだ。 船長とか設計主任とか、ジャックの友達とか、いくらでも光を当てることができる。 が、浅かった。 映画を見終わって、どんな役があったか？ と思い出そうとしたが１０人ぐらいかな。 タイタニック沈没で生き延びた人よりかは多いか。 いや、そういうことじゃない。

この映画には１ミリも、亡くなった乗客へのリスペクトがないのだ。 単なる墓掘りだ。だから浅い。 最後の方で船首へと集結する乗客。 本当にムスカの「人がゴミのようだ」状態だ。 自分がここで死んだ乗客だったら、こうは扱ってほしくないな。 ジェームズキャメロンのもとに化けて出るだろう。 娯楽大作にこんな固い視点は不要かも知れないけど、確かに引っ掛かるものはありました。