私に嘘をついたあいつが悪い。真紅の衣が代弁していた彼らのそれぞれの激しい思い、それらが嘘っぱちと簡単に切り捨てられる程度のものだったと知らされた後に、どんな圧倒的な色彩美を見せられようと、何の陶酔を感じられよう。

ほら話に花を咲かせた剣士たちがこぞって自殺するだけのストーリーでは、美が私の胸に投げつけてくれるはずだった感情の礫が虚の壁に阻まれここまで届かない。ドラマが胸に迫らない。彼らのうちの誰一人として私の映画的体験の思い出になり得ない。

それでも、ずっと眺めていたいと思うくらいこの目の眩む美しさは大好きだ。自分が不甲斐ないようで少し悔しい。