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[コメント] アフタースクール(2008/日)

ある意味タランティーノを感じさせる脚本
グラント・リー・バッファロー

ガイ・リッチーとか石井克人とか雰囲気(ある意味90年代の雰囲気)を受け継ぐ作風の監督はいたが、脚本の巧みさという観点からは内田けんじクエンティン・タランティーノに一番近い作風を感じさせる。そう考えると、『運命じゃない人』と『アフタースクール』が『レザボア・ドッグス』と『パルプ・フィクション』と相似の関係に見えてくる。

ただタランティーノほどのスケール感を感じないのは、巧妙なトリックが解きほぐされた後に、いたって凡庸な爽やかさしか後に残らないからだろう。タランティーノがもつ猥雑さに比べると、どうしても物足りなく感じてしまう。例えば『情婦』も巧みなトリックとどう進むかわからないストーリー展開を見せてくれるが、それ以外にも主人公の弁護士と看護婦(士)とのおかしなやりとりなどが醸し出す雰囲気も大きな魅力の一つである。他の皆様もご指摘の通り、大泉洋佐々木蔵之介の関係性などもっと「匂い」を感じさせてほしかったと思った。非常に惜しい作品であると思う。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)おーい粗茶[*] くたー[*] けにろん[*]

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