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[コメント] 東京フィスト(1995/日)

塚本晋也が『鉄男』の延長線上に見たのは結局『鉄男』。これ一本としては面白いのだが・・・。
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画は面白い。映像と音には迫力があるし、ボクシング映画でありながら、そのサイバーパンクな香りは『鉄男』以上だ。しかし、「塚本」全体を見渡すと、いかがなものか?結局『鉄男』より前には踏み出せていない印象は拭えず、「何かド派手にブチ破ってやるぜ!」という覇気を見せていた監督が皮肉にも既成の「塚本」ラインから外へ踏み出せずに立ち往生している姿には同情の念すら抱いてしまう。個人的にこの映画は『鉄男』より面白いと思うが、かと言って、ここから監督の「前進」を感じ取るのは不可能に等しい。それは続く『バレット・バレエ』も見れば明白な事で、「立ち往生」のレッテルを貼らざるを得ない。映画監督・塚本晋也を熱い目で見る事は一度も出来なかった。

ところで、塚本映画には毎回のように電話が登場するような・・・。それでまた、大抵の場合、電話の向こうが挑発的な言葉を一方的に投げ付けて、受け取った側が「何だと?」みたいな反応を示してブチッ!って感じの・・・正直な所、俺はそういう塚本ノリが苦手なんですけど、この『東京フィスト』では割と面白かったです。

「おい、セックスしてんじゃねぇよ、そこの二人」「セックスしてんじゃねぇ・・・(ガチャ!)」「セックスして・・・(ガチャ!)」「セッ・・・(ガチャ!)」

こういう笑いは俳優・塚本晋也のキャラクターに大分支えられている気もしますが。(笑

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] けにろん[*]

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