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[コメント] ミセス・ノイズィ(2019/日)

下世話な興味で途中まではそれなりに引っ張るものの、事態の収束と着地が凡庸すぎ、むしろ邪悪だと感じる。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特に両家の旦那の顛末は致命的で、ピンピンしてる騒音の夫、まったく罰せられぬどころか妻に泣きつかれてヤレヤレ顔の若い夫。彼のリアクションはカットされており、映画として卑劣極まりない。タイトルロールの小説を出版してめでたしとする陳腐な結末には呆れる。邪悪だ。これでマスコミ批判とかSNSイチビリとかやってんだもんなあ、迂闊ですぜ。

劇中、席を立ってしまおうかと思った瞬間が2度あった。ひとつは騒音夫が小説家の処女作を読んでいる場面。感動して泣いちゃってるのだが、真っ暗な部屋に灯りは座卓の上の電気スタンドひとつ。この男、唯一の灯りに本の背を向けて読んでいるのである。暗い部屋で本を読んだ経験が一度もない宇宙人が演出してんのか。もうひとつは小説家がベランダでビデオカメラをセットする(した)場面。ビデオカメラは高所に水平にとりつけられており、本当なら騒音おばさんを画面内に捉えられない筈なのだ。斯様な杜撰極まりない八百長が、この映画には横行している。せめて真面目にやっていただきたいのである。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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