主人公は何かというとバーで他人に喧嘩ふっかけるのだけど、これって自分の罪に耐えかねたヤケッパチの自傷、ある種の贖罪、心の弱さの表現に見えないとダメなんじゃないのと思うわけです。しかるにケイシー・アフレックが意外とポテンシャル高く、パンチはノーモーションでハンドスピードも速いため、一方的に殴って効率的に喧嘩に勝ちたい人に見えてしまっている。総じて演出能力の高い作品なのに、暴力の「ニュアンス」がうまく表現されてない。罪を背負い傷ついた魂の回復とかも結構ですが、ここはちゃんとしたアクションコーディネーター（武術指導）を雇う必要があったのではないかと思いました。