やたら六甲のおいしい水ばっかり飲んでんなーと思ったら中身を酒に入れ替えてたので驚く。結構な勢いでガブガブ飲んでるけど大丈夫なのか。遅く帰ってきた少女を思わず怒鳴りつけるペ・ドゥナが、少女の継父のクズ野郎と瞬間、重なる。なにしろ酒飲みはろくでもねえんだという強い主張を感じる。

わたくしとてロリコンの端くれ、ペ・ドゥナの動揺はよく判る。しかし彼女の脇の甘さは度を越しており、夏休みじゅう自宅に住まわせるなど明らかな異常行動だ。そらーウッカリ風呂とか入っちゃうわけだ。彼女は何よりも自分への慰めを必要としている人間ゆえに、少女の扱いはどこかペット感覚だ。ハッキリ言って、立派なロリコンであればまず少女のためを思って病院と児相に連れていくのである。拾ったのが男の子だったら、そのへんの草でも食ってろと追い出すのである。

しかし最後は気に入った。ペ・ドゥナは少女が魔物であることを知ってなお、少女を引き受ける。厄介事そのものの少女を抱え込んで生きてゆくことを決める。社会的に法的に正しいか否かはどうでもいい。雨の中を車で走り去るラストシーンは、オレの中で『わらの犬』と重なる。どのような悲惨がその先に待っていようとも、今この瞬間のお前らを尊重するぜ、という気分になる。