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[コメント] パプリカ(2006/日)

天才の傑作小説を凡人が無難にまとめるとこうなるのか、というガッカリに満ちている。ただ作画監督の安藤雅司ほか凄腕アニメーターたちが存分に腕を奮っており、ハッとする動きは随所に見られる。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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というのは多分に自分の贔屓目が入っており、そもそも今敏の映画キライなのだ。そして筒井康隆の小説は最高に好きなのだ。だからこの映画は長らく観るのを避けてきた。公開から15年避けてきた。が、BS放送でやってたのでつい観てしまった。やっぱりダメだった。小説に勝る瞬間は皆無。凡庸としか言いようがない。

マッドハウスの丸山正雄Pが映画化権とってきたのは、今監督に向いてると思ったんだろう。いかにもこういうの得意そうだもんな。その結果、監督が自分の潜在意識を追い詰めることなどいっさいない、手癖で作った安易な映画になった。筒井康隆なんか潜在意識に潜って悪夢を書いた結果アタマ真っ白になったんやぞ。鬼じあ。文学の鬼じあ。白髪鬼じあ。

この映画は小説の雑な要約に過ぎないが、ちょっと見過ごせない点もある。この物語で最も美しい存在は時田浩作なのだ。美貌の科学者千葉敦子は知性にこそ美を見出す女性で、時田浩作を心から愛しながら同時に彼の知性に対してコンプレックスも抱えている。小説「パプリカ」の魅力はそこにある。この映画は全然ダメだ。正直言って呆れた。

(評価:★2)

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