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[コメント] 欲望(1966/英)

主人公が撮る写真のように、一見無造作に撮っているように思わせて、実は非常に厳密な演出が施されている。そこが魅力。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







例えば、最初から最後までが、主人公の移動という行為による場面転換となっているところが面白いし、彼のスタジオ内が様々に移動できる作りとなっているのもいい。だから同じ移動でもカメラを持ち逃げしようとしたヴァネッサ・レッドグレイヴを待ち伏せするという印象的なショットが突然表出されたりする。これがいい。またそんな彼女がお返しとばかりに街頭で人ごみの中に消え去るシーンなどは、そこだけを繰り返し観てしまいたくなるほどの見事さだ。

また、見事といえば本作には本当にたくさんの色が出てくるのだが、その色使いが本当に見事で、さらにその構図も決まっているものだから、最初から最後まですべてのショットが眺めているだけでも楽しめてしまうものになっている。ここもいい。

さらにはジミー・ペイジジェフ・ベックの2人が在籍していた頃のヤードバーズの演奏シーンが見られるのもオマケ的な嬉しさがある。まぁ人によってはやはりピート・タウンゼントがギターを壊すところを映画として記録してほしかったという意見もあるだろうが、希少性としてはやはりベックでしょう。ここなんかは単純にファンとして楽しんでしまいました。

このように本作は、物語的なものに意味を求めようとすると本当にわからなくなってしまうけれど、五感にまかせて楽しんでしまえば本当に楽しい作品。いや実際のところ、映画の楽しみ方なんてそんなものでいいんじゃないかと思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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