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[コメント] 刑事ジョン・ブック 目撃者(1985/米)

犯罪映画としては落第。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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正直、序盤の少年目線のあの恐怖は何処へ?と思うし、クライマックスの銃撃戦も今一つ盛り上がらない。また、途中異人の象徴としてしつこいくらいに出てくるピストルの扱いも中途半端だ。つまり犯罪映画としては、まったく落第としか言いようがない映画なのである。

しかし、そんな映画がどうしてここまでの感動をもって強く印象に残っているのかと言うと、それは犯罪映画パートとは比べ物にならないくらいに素晴らしいアーミッシュパートの何物にも例えがたい魅力のためと言っても差し支えないだろうと思う。

多くの人が書かれているが、自分もやはりあの納屋の建設シーンに感動した。特に飲みかけのレモネードがジョン(ハリソン・フォード)に渡されるシーンは、彼がアーミッシュの一員として認められたことの象徴として印象的だったし、多くの男たちが木の上に登り金槌をふるっているシーンをワンショットで捉えた画などもため息ものだった。それにあわせて女たちが料理を作るところもいい。また、これは別のシーンだが、ハリソンケリー・マクギリスがダンスを踊るところも素敵だった。さらには義父が言う「英国人に気をつけろ」という台詞もよく効いていたと思う。

背広にネクタイ姿に戻ったジョン(ハリソン)をアーミッシュの友人が無視するラストシーンも、異人に対するアーミッシュとしての姿と「仲間」との別れの寂しさとを同化させた素晴らしい締めであった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)jollyjoker ダリア[*]

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