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[コメント] ロッキー(1976/米)

うちの近くには肉屋がある。養鶏場もある。町を見渡せる階段もあるし、おまけにペットショップまである。よしっ!わが息子よ、条件は整った!!
ナム太郎

しまった!ジムがない!!

***

冗談はさておき、本編は、試合のシーンが案外短いと感じられる方も多いのではないかと思う。かくいう私も最初に観たときは、途中のラウンドが省略され、いきなり最終ラウンドに入っていく展開に少々の違和感を感じたものだった。

しかし、今はこれはこれでいいのだ、いや、むしろこうでなくてはならないのだと思っている。というのも、本編の肝は「迫力あるファイティングシーン」などでは決してなく、台詞の中にもあるように「最後まで立ってられたらゴロツキなんかじゃないんだ」というロッキーの信念にあるからである。

振り返ってみよう。本編のどこに感動と興奮を覚えるか。それは激しいトレーニングのシーンとラストの叫びである。いわばロッキーが「ゴロツキじゃない」ことを証明するためのプロセスと結果、その柱を際立たせるためにはラウンドシーンの省略は必要不可欠なものであったと思うのだ。

そして何よりエイドリアンへの愛、それが全篇を通じて貫かれていること。「I Love You」とは何て素敵な言葉なんだろう。スタローンが本当に全然イケてない男のままであるのもよい。

そんな純粋な、けれど心の奥底に響くこの物語は、そのシンプルではありながら強い信念に貫かれているからこそ、何年経っても変わらない不滅の感動を与えてくれるのである。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)ミドリ公園 荒馬大介[*] 24 ころ阿弥[*] ゼロゼロUFO Myurakz[*]

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