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[コメント] 屍人荘の殺人(2019/日)

憤慨する準備はできていた。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これはもうミステリーなどというものではなく、ミステリー(&ホラー)的要素を放り込んだコメディだ。だから浜辺美波中村倫也、あるいは神木隆之介あたりを目当てに、軽く笑いながら時間つぶしができるものを期待して見に来たという人にはそれでよいのだろう。が、原作を読んでその世界の再現を望んでいたものには、かなりの落胆の気持ちがあったことは否めない。

かくいう私も予備知識なしで原作を読んだときには、あの予期せぬ訪問者の襲来に「こういうパターンか」と正直とまどい、シラケたりもしたのだが、読み進めるうちに、その訪問者があったからこその密室殺人構造の本格さにのめり込み、感心しながら一気読みしてしまった記憶がある。

そんなわけで、その映画化となった本作にも、初期設定自体はかなり無理があるにせよ、そういう状況の中、どんどん狭められていく行動範囲、また、そこにこそ生まれる緊張感、密室殺人の困難さ、そういった本格ミステリーの味わいというものを期待していたのだが、結果から言うと、それは見事に裏切られてしまった。というか、最初にチラシを見たときからもうほとんど諦めの境地に入って、憤慨する準備はできていたのだのだけれどね。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ロープブレーク[*]

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