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[コメント] 破戒(1962/日)

キャメラ良し、役者良しと、映画としての完成度は非常に高いのだが、いわゆる「テーマ」や「この映画は何を伝えたいのか」という点を重視して観る向きには案外不評かもしれないなとも思った。
ナム太郎

まず素晴らしいと思ったのは宮川一夫のキャメラである。大映スコープの広い画面を的確に操るその技術はまさに名人。今回はテレビで観たのだが、それでもあれほどの素晴らしいトーンなのだから、スクリーンならどんなことだったろうとまさにため息ものだった。

役者に関しても、勿論市川雷蔵も素晴らしいのだが、三國連太郎岸田今日子といった脇役の存在感が圧倒的。映画の形としての非常に高い完成度には大いに満足した。

ただ、欲を言うと形にこだわり過ぎているところがあって、訴えるべき物事の本質が薄れてしまっているのも事実。いわゆる「テーマ」や「この映画は何を伝えたいのか」という点を重視して観る向きには案外不評かもしれないなとも思った。

(評価:★4)

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