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[コメント] つぐない(2007/英)

あからさまな巧さを感じさせない巧さ加減がとても心地よい秀作。
ナム太郎

文芸作に限らず長編小説が元となった映画は、ヘタをすると長く重いだけのものであったり逆にダイジェスト的な形で中身スカスカといったものになってしまうものだが、このジョー・ライトの骨格をしっかりと押さえた、けれども決して作り過ぎない演出は素晴らしいと思った。あからさまな巧さを感じさせない巧さ加減がとても心地よい秀作である。

話題の長回しもいいが、私的には少女の頃のブライオニーを演じたシアーシャ・ローナン(素晴らしい!)の存在感を最後まで持続させていたところが特に素晴らしいと思った。「贖罪」というテーマにおいては、まさに彼女あってこその本作であることをしっかりとわきまえた演出であり、その柱がしっかりしていたからレッドグレイヴが、映画が生きた。

(評価:★4)

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