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[コメント] エースをねらえ!(1979/日)

決して懐かしさからだけではない賛辞。いや、本当にびっくりした。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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アニメに限らず、好評を得たテレビドラマを映画する難しさは何よりその歴史が全てを物語っていて、特にそれがダイジェスト的な形式で作られた際には、まさにダイジェスト版だなという味もそっけもない出来に終わってしまうことがほとんどである中、本作の「映画」としての完成度の高さには、ただただ驚くばかりである。

もちろん、ここに至るまでには大胆な省略が施されているわけだが、しかしそれを不満と感じさせることなく、むしろあの長編をよくここまで(上映時間は90分にも満たない)絞り込み、なおかつあれほどの感動を最後に用意するなんて、監督の出崎統は、本当にすごい仕事を残したなと、鑑賞後数日経った今もその興奮はさめやらない。

勝因は、主人公である岡ひろみの成長、ただそれだけに全てを絞ったという点に尽きると思う。その柱が全篇にわたり貫かれているからこその宗方であり、お蝶夫人(実は努力の人!)であり、マキ(この作品における彼女の存在価値を改めて確認!)であるというキャラクターの形成が、それらの人物の存在価値をさらに高め、印象深くしている。

また、クライマックスのひろみとお蝶夫人との対決の際の編集の無駄のなさとキレ。またその結果を不自然に思わせない、それまでの特訓シーンの数々の有効性。それらが全て備わっていながらのあの上映時間だもの、これはもう賛辞をおくるしかない。

(評価:★5)

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