あんな薄情な人たちのために。

これだけ話が大げさなのに、危機感がまるでない。

地球や人類の「素晴らしさ」とか「尊さ」とかまるで伝わってこない。

かわりに伝わってきたのは「セールスマン」の奥さんの偽善と娘をはじめとするその他の人達の薄情さ。

だから、「自己犠牲」じゃなくて「無駄死に」に見えた。

そんなものは描く必要はない、当然のことだと言う人もいるかもしれない。

でも、虚構である以上、そういったことはしっかりと描いてくれないと納得できない。地球やこの世界を素晴らしいなんて思っちゃいない人もいるだろうし、普段そんな「素晴らしい、素晴らしい」と実感してる人はまずいない。

少なくとも、ハリーの犠牲の後の映像では、そういう「素晴らしさ」は感じられないし、胸くそ悪くなるような映像ばかり。

娘ひとりの為だけに犠牲になったとしても、その肝心の娘があれでは観てるこっちも白けるというもの。

それにしても、この手の映画に必ず出てくる大統領の演説、何とかならないものか？これからって時に出てきて興醒めする。