[コメント] シティ・オブ・エンジェル(1998/米=独)
細部にこだわりすぎるとたちまち陳腐になってしまうストーリーもある。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画は、良い意味でも悪い意味でも色々と細かい部分にこだわっている。
良いところは、セスが天使でいるときの感覚と人間になってからの感覚の違いが丁寧に描かれていること。感じられないという切なさと、感じるという喜び。日常生活のとりとめのない行動、つまり細部を描くことによってセスの感覚を伝える。細部というのはもともと醜悪なものだが、この映画の場合はそれが成功しているシーンもある。でも、悪い部分、ストーリーの足を引っ張っているところもあったと思う。
普段は図書館に佇み、海岸で集会を開く天使たちの生態。何だかよく分からない。恋する女性を見守るセス。いつでもどこでも寄り添って見つめるセス。切ない顔。淋しい頭。しつこい。ふたりが結ばれるシーンの生々しい会話。笑える。目を閉じて両手を離して自転車に乗るマギー。理解できない行動。そのシーンの必要以上にきれいな映像。しかも長い。
細部にこだわりすぎると、たちまち陳腐になるストーリーってあると思う。観ている人が途中で考え込んでしまうようなこだわり方は、切ない結末の映画には迷惑なだけだ。いっそコメディにすれば良かったのに。顔も頭も淋しい天使なんてそれだけでコメディーとして合格だと思う。
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