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[コメント] ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲(2010/日)

ガダルカナル・タカ曰く「大切なのはメリハリです!」 ―――何よりもメリハリが必要なのって、この映画だよなあ。
空イグアナ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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最大の見どころは、仲里依紗演じるゼブラクィーン。このままPVとか売り出しそうな勢いだし、あの写真撮影シーンで撮った写真は、実際にどっかの雑誌で使われているのかもしれないな。あとは……その周辺の悪役も、ゼブラシティも、かっこよかったかな。ゼブラーマンたちが生活している集落も、いかにも貧困しているという感じが出てた。

しかしまあ、2時間退屈な映画であった。これだけ魅力的なキャラを用意して続編をつくっておきながら、なんともったいないことか。で、何が退屈の原因かと言うと、まさにメリハリのなさなんだな。いっそのこと、仲里依紗を売り出すことに全予算をつぎ込んだ方がよかったんじゃないか。

例えば、タイトルバックをゼブラクィーンのPV風につくっておきながら、また間もなく似たようなPVシーンが出てくる。せめて後半に持ってきてほしい。

ガダルカナル・タカは悪徳政治家として大した活躍もしないし、内に秘めた善人の顔をさほど見せるわけでもない。だから手下に裏切られ、殺されても、カタルシスもなければ、意外性もない。

ゼブラクィーンは、地味な姿になって集落を訪れ、ゼブラーマンと対面する。そして変身。なんだけど、ただもとの派手な姿に戻っただけ。その後の映画の見せ場のために、地味な姿に抑えてただけなんだよな。ここで、もっとすごい変身を見せてくれなきゃ。「これがゼブラクィーンの最終形態か!」「こんな奴にゼブラーマンが勝てるよかよ。」って言わせてくれよ。

しかもその後、ゼブラーマンは手に汗握るバトルの末にゼブラクィーンに敗れるわけでなく、ちょっと戦ったあと、女の子を助けるために、自ら建物から飛び降りて戦闘不能に陥いる。だからゼブラクィーンの強さも感じられないし、そうなると、あの緑色のエイリアンの強さも伝わってこないし、ゼブラーマンとゼブラクィーンが合体する感動もないわけだ。

ココリコ田中直樹も、間抜けな姿ばかり描かれている割には、いまひとつ笑えない。何ともかわいそうな役である。ギャグ担当として散々笑わせてこそ、ヒーローになりたかったと、彼が熱く語ったとき、心打つものがあるのではないか。逆に、自らを犠牲にして花と散る、というふうに感動的に描かないから、死んだと思った田中が「何?」と目を覚ましても、笑えないのだ。

三池崇の映画ってやっぱり、雑だなあ。バカバカしい映画を、真剣につくるのではなく、バカバカしい映画を、適当につくっているという感じ。前作は、バカバカしい内容を、それなりにきちんとつくってくれた、という感じがあったので、気に入っていたのだが、残念です。映画館まで見に行って損した。どこの映画館も、どんな映画でも千円以上する今の日本じゃ無理だろうけど、この人は五百円くらいの映画を量産しているのが合ってるんじゃないか。

(評価:★2)

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