胸毛胸毛胸毛胸毛胸毛腹毛ぇぇ！！来た来た来た来たー！ボンドの胸毛が来たぁぁぁぁ！！

思わず興奮してしまったボンドの胸毛。今回はいつもよりもファンサービス。高級ホテルで自慢の胸毛と腹毛を晒し出す。最高に最高に最高にアホすぎる！大体この映画はオープニングの、拷問をバックに流れるマドンナのアホな歌の地点で爆笑は約束されていた（大体なんで拷問をバックにオープニングをするかねぇ・・・）。もう、『トリプルX』なんか比べ物にならない程のアホ。とにかくアホ。ハル・ベリーを口説く時の台詞には笑いが止まらなかった。

冒頭からサーフィンでの北朝鮮への侵入から続く、ホバークラフトでのチェイスでぶっ壊しまくりの爆破の連続。さらに、病院吹っ飛ばして、挙句の果てには氷上カーチェイス。正義のボンドカーVS悪のボンドカーのような、ミサイルにはミサイル見たいなアホカーチェイス。氷の建物の中でミサイルぶっ放したり、透明になったり、本当に顔がにやけっ放し。

ちゃちな合成も、明らかに氷点下の中でバルブを素手で握る姿も、撃たれているのに傷がつかない車にも突っ込まずに、とにかく笑う。この映画に突っ込みを入れる等と言う野蛮な鑑賞法はNGだ。とにかく笑え。ジンクスもスピンオフ企画が出ているらしいが、悪いが全然カッコよく見えない（笑）クライマックスの飛行機での戦いも、服をひらひらさせて銃を撃つ姿も、宣伝されているほどカッコよくない（笑）ついでに言うと、ジンクスは崖から海に飛び込むけど、あの高さじゃ死ぬんじゃないのか？岩とかにぶつけて・・・

最後の飛行機のシーンじゃ『エグゼクティブ・デシジョン』を彷彿とさせ、ハル・ベリーの過去を思い出させる。なんてサービス精神旺盛な映画なんだ。Qの車の説明シーンでも、Mの恋愛妄想も、何もかもがアホ。

だけど、なんだ・・・？これだけぎっしり見所が詰まっていて、アクションの質もそこらの映画じゃ追いつけないほどのレベル。頭が狂ったようなカーチェイスに、突っ込み所を一つも気にしていない豪快（バカ）脚本。ボンドの事を「スケベ」と形容するギャグに、出会った女をすぐに口説く頭の悪いスパイ。これだけ、アホな要素が詰まっているのに、見終わってどうも爽快感が残らなかった。

『トリプルX』でも見せ場が多いのに全く面白くなかった結果に終わったが、この映画はそれより随分ましではあるものの、完全に満足はさせてもらえなかった。

時代と一緒に進化する映像のお陰で、豪快なアクションを楽しむ事が出来なくなっているから？それとももうボンドなんて時代遅れ？あくまで娯楽ではあるものの、最初から「娯楽」と割り切ってみた自分にさえイマイチという結果に終わらせたこの映画。

恐らく、変にストーリーを捻り過ぎて、アクションが途切れ途切れに見えてしまったせいだろう。何と無くこの映画は途中でアクションが立ち往生している感じがある。派手に爆破して、口説いて、また派手に吹っ飛ばして、また口説いて・・・。（この展開がボンド映画なのであるのだが）アクション一つ一つは素晴らしいのだが、映画の中で、盛り上がったテンションが足踏み（もしくは後退）してしまっているのだ。

個々のアクションは素晴らしいが、全体的にまとめて見るとどうも中途半端な感じが残る。

冒頭の地雷原でのチェイスも、氷上カーチェイスも、とにかく派手。他にも派手なシーンがあったが、どうもこの二つしか印象に残っていない。クライマックスの飛行機のシーンなんて、全く盛り上がらなかった。派手にやるのは結構。だけど、もう少し使い方を学んで欲しい。

映画の中で単体で面白い物（小道具とかアクション）が存在していても、観客を最後までひきつける事ができるとは限らないのだよ、Mr.ボンド。

まぁ別にこれだけ文句書いてるけど、十分楽しませてもらいましたけどね（笑）

どうでもいいけど、ボンドはやっぱり胸毛でしょ。