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[コメント] バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985/米)

面白すぎて唖然とした。絶妙すぎて笑えず、ただただ苦笑するのみ。天才とは居るものだと痛感。 (軽い『キャスト・アウェイ』のネタバレあり) 2003年5月16日テレビ鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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よく俺は「救いようの無い駄作」と言う。その手の作品が、近頃多いからだ。はっきり言って、近頃のハリウッドには、あまりホットな作品が無い。

このシリーズ、実は「PART2」「PART3」は既に見ていた。だから、先は読めまくりなのだが、それでも新鮮な驚きと感動、興奮と爽快感。何よりも「TO BE CONTINUED」の文字にとんでもない期待を持ってしまった。続編を先に見ているにも関わらず。

言うならばまさに「エキサイティング」と言う言葉が相応しい娯楽映画の大傑作であり、これを観ると「ユニバーサル・スタジオ」が如何にこの映画を勘違い(勘違いはして居ないとは思うけど、あのアトラクションじゃ全く映画を表現出来ていない)しているかがよく分かった。

正直、スティーブン・スピルバーグ印には、多少の不安がある。最近ではよく分からない作品を連発する彼も、やはり「エンターテイメント」にかけては、相当の実力の持ち主であろう。否、もしかしたらロバート・ゼメキスが天才なのかもしれない。何しろ『キャスト・アウェイ』では、バレーボールが流れるだけのシーンで俺に涙させた男だ。

過去に戻って自分の母親に恋される。そして、自分の存在まで危うくなる。抜群のアイデアにラブコメ、青春、タイムパラドックスを混ぜ込み、絶妙な伏線やギャグで笑わせる。もはや「ギャグに笑う」のではなく、あまりに見事なタイミングで飛び出す台詞に笑いすら忘れてしまう。あまりに見事な脚本。そして、これが続編に活かされて行く。単体でも楽しめ、さらに続けてみるともっと楽しめる。

実際俺は、「PART2」を先に見たが、それはそれでかなり面白かった。

最近のハリウッド映画で、個々まで興奮した映画があっただろうか?あったとしても、この映画よりまだ下のランクになるだろう。「娯楽」と言う意味での大傑作。俺は何も突っ込むつもりは無いし、悪い所なんて見当たらない。

正真正銘の「娯楽」だ。時間を忘れて、現在を忘れて、ヒルバレーの今と昔、そして未来に行き来する。俺が、半分忘れかけていた、映画の魅力みたいな物を呼び起こしてくれた。

すっげぇな。どれだけ映像技術が進歩しても、どれだけ映像表現の幅が広がっても、この映画の興奮を超えるのは難しい。今の映像に頼りきりのハリウッドにそれが出来るのか?確かに特殊効果は使っている。だが、個々最近の映画の様に、「見所」として宣伝している訳では無い。デロリアンの造形、魅力的な登場人物と、今なお斬新なストーリー、そして何よりも見事な伏線と笑いを生み出す、素晴らしい脚本。映画の「良い所」が溢れてきそうだ。

結局、15年以上前の作品が今なお新鮮に見える。それがこの映画の力だね。ハリウッドも過去に戻ってみた方が、いい勉強になるんじゃないのかな?何よりもスピルバーグこそ、過去に戻って勉強すべき人だと思う。

最近の彼の作品には失望させられっぱなしだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)シーチキン[*]

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