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[コメント] ゴッドファーザー(1972/米)

確かに素晴らしい映画ではあると思うのだけど、そこから先に一歩踏み込んでくる新鮮な衝撃をココに感じる事はできなかった。それが、時代に起因する物か否かは分からないが。 2004年12月31日劇場鑑賞/05年1月4日劇場再鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画が持っている圧倒的な力は、それは確かな物で、3時間を一気に見せきる、と言う物でもあり、オープニング30分近くに及ぶ結婚式のシーンの無駄の無さでもあり、マーロン・ブランドアル・パチーノの演技でもあり、と言う感じで、確かにこの映画が凄い事は分かるのだけど、映画を見終わった後で俺が一番大切にしている物は他でもなく「面白かったかどうか」であって、この映画に「面白い」と言う感想は出てこなかった。詰まらない事は無いし、3時間退屈になる事も無い。

つまり、それはこの映画の完成度の高さを物語っている。あとは俺の好みの問題だろう。

っていうか、実を言うと、俺、最後の1時間で少しうとうとしてしまい、マイケルがいつの間にか「ドン」とか呼ばれて泣きそうになりながら劇場を後にした。ので、マイケルがいつの間にこうなっちゃったのか、とかドン・コルレオーネがいつスクリーンから消えたのかとか、さっぱり分からなくて一人困惑した。と、言う訳で、正当な評価は下せないのだが、この映画の質の高さは確かに分かる。

あのオープニングの事務所での相談シーン。あの影。顔の輪郭に合わせた様にきっちりと貫禄を描き出すあの影の作り方が絶妙に上手い。とにかく、オープニング数分間で一気にこの映画の作り手の気合に打ちのめされた。

ファミリーの兄弟の一人一人の細やかな描写も、きちんと描かれており、確かにコレは3時間をかけるべき映画に思う。

そして、コレを撮ったのが、当時若手のコッポラ。凄いとしか言いようが無い。

――なんだけど、やっぱりそこから映画としての面白さは感じなかったのが事実、と言う悲しい結果。ま、寝た俺が悪いわな。

05年1月4日劇場再鑑賞

一度目に寝てしまったので、再び劇場に足を運んでの再鑑賞。せっかくのデジタルリマスター版にての“最後の”ロードショーってんだから、そりゃ見れる機会があるなら、少々高くついても見るべき、と言う考えで。

で、まぁ今度は、1度目で見た所で少しうとうとしてしまったのだが、まぁそれは「見た所まで早送り」って事でいいとして(良くない)、最後の1時間もきちんと見届けた。

親父の仕事を嫌っていた堅気のマイケルが次第に冷酷なマフィアのドンになるのと反比例して、親父のビトがすっかり「おじいちゃん」と化し、孫と戯れている姿は、トンでもない。コレを当時40台(だっけ?)のマーロン・ブランドが演じているとは思えない。アル・パチーノに至っては、何と言うか、凄いには凄いと思うのだけど、俺はそこまでの凄みは感じなかった。

「男のカッコ良さ」と言うのも、何だろうなぁ・・・カッコイイにはカッコイイのだけど、俺はやっぱり、『仁義なき戦い』の「しびれるよのぉ」だの「まだ、弾は残っとるがよ・・・」とかの方が、遥かに痺れると思うんだけどなぁ。バイオレンス描写はカッコよかったけど。

(評価:★4)

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