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[コメント] ホテル・ハイビスカス(2002/日)

すっげぇテンション。あれだけいつもハイテンションで居られる主人公に少し憧れる。 2003年10月13日劇場鑑賞
ねこすけ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







特に見る予定でもなかったのだが、何となく暇だったので見に行った。季節は既に秋。映画の中では半袖ばかりだが、見ている俺は長袖。

沖縄の風景と方言、そして独特な家族の毎日を見て居ると何だか安心する。俺は広島生まれの広島育ちなので、画面に広がる沖縄の風景と、もはや聞き取る事すら出来ずに、何を言っているかすらさっぱりわからない沖縄の言葉に戸惑いながらもどこか別世界を感じた。

一時期NHKの連続テレビ小説で、沖縄が舞台の作品が登場したりして、色々と沖縄が話題になった時もあったが、俺は特にそれを見ていた訳でもなかったし、沖縄にさほど興味があった訳でもなかった。しかし、この映画を見て、人々が沖縄に行きたがる理由も十分理解できた。主人公が何を喋っているかすら良く分らないが、特に気にならず見れるこの感覚。なんだか新鮮だった。

けど何か、映画に飛び出た物が無くて一度見れば十分といった感じが残ってしまった。確かに家族が離れ離れになりなってしまい、主人公が困惑している所での親父の優しい説教には少し、ほんの少しながら涙腺を刺激されたし、全編通して描かれる「夏休み」感覚と「家族の暖かさ」的なモノはかなり良かった。

ラストシーン。「おかえりんご」の垂れ幕には心底感動したが、この映画の中で飛び出てよかったシーンはこのシーンくらい。あとは良いのだが、特に、何度も見たいとか思える訳でもなく映画はエンドロールに入ってしまった。

どうしても、この映画を見る時に前提として「だって沖縄だもん」と言う物が入ってしまっている自分が居た。別に沖縄に行った事もないし、沖縄の文化を何一つ知らないのだが、映像的にも作品の雰囲気的にも「沖縄」と言う感じがどうにかカバーしていて、もしこれの舞台が別の場所だったら月並みなドラマにしかならなかったのでは?としか思えない。

それに、登場人物達の描き方も間の抜けた感じで面白いし、主人公の能天気ハイテンションぶりには終始圧倒されるのだが、正直、それらがなければドラマ部分はどうなんだ・・・?と思える。中盤まではその雰囲気と登場人物たちの面白さを楽しんでいたが、母と娘がアメリカに旅立って以来、どうも作品の面白さが一回り小さくなった気がしたのだ。そこには「(個性的な)登場人物が二人抜けた」という事実があるからでは?と思える。それに、息子が途中から全く登場しなくなるのは如何なものか。既に東京に行ってしまったのか?だったら旅立つシーンくらい撮れよ。

そして、それらの軽い問題点をカバーしているのが、(こういうと沖縄の人に失礼な気がするが)「沖縄」って感じの雰囲気だと思う。だから、この映画は雰囲気が良すぎて、ドラマがどうしても安っぽく見えてしまっている(のだと思いたい)。つーても、俺は沖縄に行った事ないので、何も知る訳無いので、偉そうな事いえないのだけど。

まぁそれ以前にその雰囲気を演出できる事こそ監督の手腕なんだろうから、その点では十分上手いのだけどね。

とりあえず、何度も見たい映画ではないのだが、ラストの余韻。あの何ともいえない感じがあってこその★4

(評価:★4)

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