コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 夜行列車(1959/ポーランド)

幻想的なスキャットに乗って夜行列車は走る。全ての出来事はまるで一夜の夢のように儚げ。終着駅に着けばそこには日常が待っている。
マッツァ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







モダンジャズのひんやりとしてクールな質感と忙しなく人が行き交う階段の冒頭から鳥肌もの。列車が走るガタンゴトンという音とジャズのベース音が刻むリズムの絶妙な切り替えも巧妙に考えられていて舌を巻く。終点まで停まらない夜行列車という一種の閉鎖的な空間から、一気に開放される追跡シーンの人々が醸し出す熱気も凄い。そして許しを乞う犯罪者の惨めったらしさとそれを取り囲み見下す人々の威圧感。それでいて保養地に到着した後の気だるさたるや社会に重く圧し掛かる不安感そして充たされることのない心を代弁しているのか。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)マグダラの阿闍世王[*] 24

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。