もちろん、愛に恵まれなかった不幸（母親とペネロペ・クルス演じる女性は愛に重きを置いてくれなかったし、バーバラは死んでしまった。）はあった。それゆえ、唯一静かな愛を与えてくれた父を目指し、娘に父性愛を与えようという気持ちもわかる。

　でもさ、そんなに娘が大事なら定職につき、生活力をつけ、地道にお金をためてから娘と暮らすべきだった。娘のためにも。よく言われる言葉だけど、犯罪で稼いだ金じゃ娘は喜ばないはずだ。

だから、自分が父に与えてもらったのと同じような愛を娘に与えたかった主人公の思いは伝わってきても、同情さえできない。