コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ポセイドン(2006/米)

どうやらペーターゼン監督は人間ドラマを描くつもりはまったく無かったようで。怒涛のようなCGアクションがあっという間に過ぎていく98分間。しみじみする間もなし。オリジナル版と比較してはいけないが・・・。
茅ヶ崎まゆ子

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







オリジナル版『ポセイドン・アドベンチャー』のコレクターズ・エディションDVDを予習してから、今回のリメイク版にのぞんだ(先行レイト上映)。オリジナル版が大好きなので、上映前は期待と不安が入り混じっていたが・・・。

皮肉にも、オリジナル版の完成度の高さを浮き彫りにする出来だった。比べてはいけないと分かっていても、つい比べてしまうのがファン。それにしても、何ともお手軽なリメイクであることか。

まず、ポセイドン転覆までの登場人物紹介が手抜き。そもそも人間の描ける監督ではないので、この点はしょうがない。が、転覆までの秒読みを、ブリッジとパーティ客を短いショットで交互に見せ、緊迫感を煽った前作に比べると、突然ビッグウェーブが来てあっという間に転覆してしまうリメイク版とでは、演出力に決定的な差がある。

生き残った人間のサバイバルも、曲りなりにも協力しつつ前進していくオリジナル版と違い、リメイク版では他人を蹴落として自分が助かろうとする。これを見て非常に寂しい気持ちになった。こういう時代だからこそ、みんなで協力して〜という物語にして欲しかった。いくら9.11以降の作品であるとしてもだ。

いつも上映時間の長い作品を作る監督なのに、98分という上映時間の短さがアダになったようだ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (6 人)muffler&silencer[消音装置] 中世・日根野荘園 ノビ[*] セント[*] uyo じょばんに[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。