[コメント] キングダム・オブ・ヘブン(2005/米)
王子様のようなオーランド・ブルームや、キレイキレイなハリウッド映画を期待してはいけない。この映画に描かれるのは、妥協を知らないリドリー・スコット監督が描く、容赦ないシーンの連続だ。
オーランド・ブルームは血と汗と土にまみれ、シネマスコープの画面いっぱいに累々たる死体の山が広がる。フィルムから、混沌としたエルサレムの空気が匂ってくるようだった。
人は、飯を食えば殺しもするし、愛することもある。そういった当たり前のことを、最近の大作映画は描かなくなった。出てくるのは汗をかかないスター俳優とVFXばかり。
そういうのをしっかり描くリドリー・スコットの映画を見てると、デビッド・リーンを思い出す。彼の映画は人間臭く、魅力的だった。リドリー・スコットの新作映画から目を離せないのは、そんなところにある。
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