一から十まで、頭の先から尻尾の先まで、手抜きがないオリジナリティ溢れる映画を久し振りに見た気がする。なので、この映画の勝因は美人とそうでない組み合わせがメインとして扱わないで、話を真ん中にデーンと鎮座している脚本にあり。

小手先の表現、誕生して間もない付け焼き刃程度の技術で人間様の想像力を越えるには限界がある。日常の些細な出来事や当たり前だと思っていることを、ほんの少し動かした所に惹かれるのが人間だと思う。たとえば自分の恋人が髪型を変えたりしたときなんか、なんて可愛くなったんだろうとか、失敗した…ん？でも新鮮かも、と予想できるはずなのに、いざそれが起きると新鮮みを感じさせる時間が展開していく日常を突きつけられる方が心に来る。それを映画で愛を内包しまくって表現されたのだから大満足です。

この映画は、心に直線的に来て、隣で一緒に共に手を握りあって見ていた彼女をさらに愛しくさせる力を増幅させる、とっても素晴らしい憎い映画でした。やられた。

2003/10/15

（補足：祇園会館で彼女と鑑賞。愛のキューピット映画によって心に残るデートでした。）