[コメント] 新しき土(1937/日=独)
情熱的に他人に勘違いされながらも筆圧強めに描かれた自分の姿をみるのも悪くない。ドイツの女性と歩く小杉勇を雪州して高さを増すことが出来なかった、そのシーンで「当時の軍部は顔をしかめたんだろうな」を目敏く感じ取れるかがこの映画のポイント。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「ドイツの山馬鹿」ことアーノルド・ファンク博士の十八番「とにかく山」が執拗に挿入されまくるシーンの後半に用意されている原節子の山より大きくそびえ立つ美しき姿は、形容に苦労すること間違いなし。小杉勇の熱演もかなり良く、早川雪州とのぶつかりも難なくこなしている点は最高点を付けてもいいぐらい。
文化の違いからくるそれもあったのだと思うけれど、内容はテーマが深いからかゴツゴツした拙い描写が連なり、多いのが気になる。山の表情を利用して人間の情念を表現できていた所以外は、エクスキューズに入れている「戦争」を頭で意図的に除いて流し見ることに徹するのみ。
とりあえず「なんだかんだで山だけを描きたがっているんじゃあ?」と思い描いていた私のアーノルド・ファンク像は間違いではなかったことに安堵感です。
2003/10/18
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