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[コメント] アンタッチャブル(1987/米)

そうか?そんなに良いのかこの作品?
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







全くもって何故ネスがカポネを逮捕できたのかが不思議でたまらん。メッチャ決断力なくメッチャ度胸が無い野郎ことネスのために死んでいった仲間が可哀相。ま、禁酒法自体が狂った存在だったので、多少の話の展開が悪くて強引で粗くて音楽が最低でも致し方ない。

…としてもだ、マローン(ショーン・コネリー)があっさり殺されてしまうシーンは頑丈な救命ボートでも救えない。救えない理由の一つは、ヒットマンがナイフで消すわけない(言い過ぎだが…)。撃たれたらどうするんだよ?え?外に導く為の餌としてあの下っ端ヒットマンは頑張ったようだが、そんなわざわざ逆に殺される確率高い事しないよ。橋の上での酒取引一斉摘発の時、マローン容赦なく人や死体にまで銃を撃っていたしすぐマローンも撃つはず。やたらとネスに対して警察の心得を言っていた警戒心旺盛のマローンだったのに簡単に都合良く殺されるだなんて、そりゃないよ監督。

そしてもう一つ。マシンガンに撃たれて蜂の巣になった体のはずなのに、ネスが来るまで生きていたのは一体何なんだ?思わず笑ったよ!不死身か?いくらなんでも何十発も体(頭含む)に撃たれていたら、すぐに大量出血or即死で死んでいるはずだから、生き過ぎであってドリフの志村けんの十八番だよ!で、帳簿役の人物の情報が詰まった書類の説明をするため喋る喋る。「これってコント?」と見間違えるシーンに「まだスクリーンから外れたくない」とショーンコネリーの言ったセリフが見え隠れ。

さてさて、この映画には何かと観客をヤキモキ&ドキドキさせる見所があったが、なんたって最大の見所は【ロバート・デニーロのデップリ具合が最高級の豚トロみたいで美味しそう!】であろう。そこに役者魂が感じられると同時に、デニーロの体の仕組みが知りたくなる事間違いなしの作り込まれたデニーロワールドに涙した…と、言うのは嘘であって、本当の最大の見所と言えば、カポネの脱税裁判であろう。前近代で流行した白服を着るヒットマンの顔と屋上からの落下!ネスの非道さがシカゴという街の象徴に仕上がっており、「豚トロ(デニーロ)なんか目じゃない!」と言わんばかりのフサフサ髪の毛ケビンコストナーの気合いの入った顔は見応え十分であった!

…と、ここまで言っといて乳母車のシーンを語らないのは、飢餓感を煽るため。さてさて、あの名場面だが、スローでバリバリ銃弾を浴びながら乳母車が落ちていくも助かり、アンディ・ガルシア演じるストーンの(カメラ目線で見る者の心をドキン!とさせながら)放つ銃弾!カッチョエェ〜!子持ちじゃないと分からないというのを嫌った魅惑のエンターテナーデパルマの本領発揮!銃弾が飛び交っているにもかかわらず、香港映画関係者も「やられたぁ!」と言わしめる主人公達の不死身具合!何故だかデパルマが撮ると、生きているのに品の良いスプラッターに見えてしまう!

2002/9/26

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] kazby ペンクロフ[*]

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