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[コメント] ショーシャンクの空に(1994/米)

今でもあの『ムンクの叫び』みたいだった映像を、激しい動悸とともに思い出す。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







パイプ!はやく割れて!!!ここの見せ方が一番好きだった。 いや、実際、その裂け目から外に這い出していったの?と今でも不思議に思ってはいるんだが。

冤罪は、厄介だと思う(こんな言い方でごめんなさい)。 無罪を何十年も訴えつづけている人がどれだけいるだろう。いったん結審した裁判を覆すのにいったいどれだけのエネルギーが要ることだろう。 身近なサンプル(あ、古い...)に、『父の祈りを』という映画があるが、警察がどんなことするかというのが垣間見られて興味深い。 パンフに、レッド(モーガン・フリーマン)が、こんな風に書いている。 「人間って奴は、長いことつらい目に遭わされていると、いつかそいつに馴れちまうもんだ。夢や希望なんて代物は危険なもんだと思うようになる。」 囚人を繋いでおこうとする者たちが、狙っているのは、まさにそういうことじゃないのだろうか。 だから、負けちゃいけない。自由になる日を信じて、あなたの尊厳を守り抜かなくちゃ。

アンディ(ティム・ロビンス)に、降りかかった冤罪を払いのける知識がなかった、とはとても思えない。 万策尽きて、刑務所に身を置くことになったアンディだったのだ。 自分は無実だ。でも、どうやってそれを晴らす?希望はあるのか?あるのは、時間だけだぞ。

無口で、何を考えているかわからないアンディのキャラクタが、私をいっそうドキドキさせた。 何をやろうとしているの?いったいどうするの? 潔白を証明するカギをもった、トミー(ギル・ベロウズ)が現れ、おおっ!と思わせる展開にしておきながら、ドスーンと観客もろとも奈落へ突き落とす。 あの胃の痛みが、よみがえってくる。心配したり呆れたりしてたのは、レッドだけじゃない。ただ、振り返れば、彼は冤罪という貸しをしっかり利益に転じた実利主義者だった。それが、私には本当にうれしい。

自由へ続くドライブと、青い海と白い砂浜、そして、レッドとの再会のシーンは、私にとっては興奮を静めるための優しいBGMだった。 奪われた何十年もの人生。USに未練もなければ、アンディー・デゥフレーンとして生きて行く必要もない。このラスト、大好き。

最初に言うべきことだが、これだけの興奮は、完全に無情報で観ないと得られないと確かに思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (10 人)りかちゅ[*] IN4MATION[*] ガッツ大魔王 パブロ[*] かっきー[*] * ろびんますく[*] 町田[*] もっこす[*] ジャイアント白田[*]

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