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[コメント] フォーン・ブース(2002/米)

脚本の着眼点が実に面白く、尺は短いがノンストップの緊迫感溢れる小粒作品。コリン・ファレルの演技力にも尽きる。犯人主体ではなく被害者の心情をあぶり出していく展開が気に入った。多くの謎を残したのも一つの手法か?
ナッシュ13

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今どき81分の映画も珍しい。世の中2時間以上の大作揃いの中で81分とは。でも2時間半3時間の映画が本当に苦手な自分は、こんな小粒な作品を心から期待していた。やっぱり、短い時間で無理なく緊迫感を持続させながら表現するって物凄く難しいことだろうと思う。この作品は、緊迫感を持続させるという意味では、かなり上出来なレベルだった。ワンロケーションといっても過言ではない設定に、限りなく少ない登場人物、最後までわからない犯人像…。そして、特筆すべきはコリン・ファレルの演技力。こういった要素が上手く融合できていたのではないだろうか。ただ、事件解決の事態収拾から数分後に映画そのものが終わってしまうので、やや中途半端な感もある。ウィティカー演じる刑事の介入もそれほど無く…さっきまであんなに熱いオッサンだったのにな…。浮気相手のパムのシーンも挿入されていないので、事件後の展開は鑑賞者が想像するしかないという点も頂けない。まあ、これらはあくまでも事件としての全容であって、やはりワンロケのスリラーとしては合格点だったように思える。考えてみればキーファーが去りながらクレジットっていうのもニクい演出だし。

主演のコリン・ファレルは、この映画が初体験で、彼が気になっていた自分にとっては幸いだった…。評価のあまり良くないSWATを先に観ていたら…もしかしたらフォーン・ブースは観ていなかったかも?しれん。いやはや、それほど彼の演技は素晴らしかった!宣伝マンという高飛車な感じはあの顔立ちが彷彿とさせているし、携帯でペラペラ喋りまくっていたオープニングでしっかりと人物像をイメージ付けているってのも正解だった。後は彼の芝居がキラリと光る。彼が涙を流すシーンでは、珍しく自分までもがうるうるきちゃったしなぁ笑

(評価:★3)

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