コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] トリプルX(2002/米)

(本人が演じているのではないのだが)今日びハリウッド映画でJ・チェン並に体張ってのアクションは買える。でも良く考えたら、内容はジョン・カーペンター先生が「スネーク」シリーズで既にやっているわ。
ジョー・チップ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「アナーキー99」という名を聞いて、ザンダーが「族かなんか?」と言うが、実際、暴走族に毛の生えた程度の連中である。しかも善玉も悪玉も同レベルのアホ。ザンダーとボスが意気投合するシーンが笑える(♪アメリカが自由の国というなら・・・♪)。しかしながら今の時代、そんなチンケな連中でも金があれば科学者を雇って最終兵器を手に入れることができるのだ。                                      わざわざ海底や宇宙空間に基地を作ってそこでワインを手に葉巻をくゆらせてフッフッとくつろぎながら世界の破滅を眺める紳士然とした大物悪役はもういない。それはソ連が存在したころの国家レベルの悪のイメージだった。正義の味方のそれに負けずに、酒の嗜好にうるさかったり、タキシード着て海に潜ったりしてハイソぶろうとしていた。しかしご存知の通り国家の壁が崩壊し個人レベルで世界のあらゆる場所でテロが発生する現代では、そのような人たちは『オースティン・パワーズ』の中にしか存在しえなくなった。                                                カジュアルな悪(でも破壊力はやっぱりあるのよ)しかいないのならば、正義の味方の方も、貧乏人でも気軽に話しかけられそうなカジュアル善で対抗するのだ!というのがこの映画の趣旨なのだろう。それは作劇的に正しいのだが、やっぱりしょぼい印象はいなめない(なんですか、あの文化祭の出し物みたいな最終兵器は。いや、あれも現実にありそうなんだが)。 このコンセプトを継続する気なら、第二作目はやはり体を張ったアクションに本腰をいれるべきだろう。そのときハリウッド映画のアクションもJ・チェンや『少林サッカー』のレベルに少しは近づくかもしれない。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (4 人)peacefullife[*] ごう[*] アルシュ[*] トシ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。