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[コメント] ソング・トゥ・ソング(2017/米)

なかなか上映されなかったマリック作品だ。久々に彼の作品を見て傍観者的に思うことが多かった。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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冒頭からラストまで執拗に繰り返される広角レンズによる被写体。異様に美しく、また一方グロテスクでさえある。酔いそうでもある。このモノローグ、心のつぶやきを映像化するには最適な手法である。

けれど、俳優たちの演技を見ていると、モノローグ群はまず映像を撮った後で(俳優にある程度のシチュエーションは伝えてはいるだろうけど)後で付け加えたものではないかと思うようになった。実力者たちが勢ぞろいしているはずなのに、彼らはいつもの深い演技力を発揮していないのだ。

つまりこの映画は、マリックの内なる4人の分身を心象表現したものではないかと思うのだ。いわば、マリックのポエムである。散文詩である。であるなら、この作品にはストーリーといった具象的なものは不要である。

でもホント、そういう手法でこの映画を撮ったのなら(映像が先か、脚本が先か)、映画作家的に、また作品の評価としてはぐっと下がって来るだろう。ファンとしてはそうでないことをただただ望むばかりだ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] 水那岐[*] プロキオン14[*]

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