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[コメント] 羊の木(2018/日)

俊英吉田大八の最新作。音響の使い方といい、カメラの水平線の構図といい、今回はじっくり見れる。しかも6人の人間を2時間で追う演出はきついはずだが、何とかこなしている。今回のテーマは、、。
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**ネタバレ注意**
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先入観と言おうか、人間の実像に覆いかぶさる虚像を取り上げている。なかなか分かり易く、実に丁寧。好感の持てる展開である。サスペンスとヒューマンとを織り交ぜて、安心できる作品となっている。

どうしてもこの6人であるなら、松田龍平に焦点が絞られるのは仕方がない。虚構ではこの役は人間を物語るに最適の人物だからだ。実にいいね。どうしようもなく何かに突き動かせられる人間もいるのです。

ただこの映画、主役のお二人。錦戸亮は狂言回しの扱いだから仕方がないとして、木村文乃は踏み込んでないなあ。ちょっと描き足りないというか、吉田めずらしく彼女に遠慮でもしたのかい?まっとうな女を感じないです。実にもったいない。

次は、ラストのあのシーンですね。これをどう捉えればいいか。深い意味があるのか。それとも邪悪な在郷の神そのものをただ単純に意識したのか。

あの祭りのすごい豪雨が前触れだったんだが、急に「美しい星」が挿入された感もある。ラストなだけに、無視もできなく、、。

でも全体的には見せてくれました。吉田、復活したように思う。ますます目が離せない。映画ってやはり面白い。

(評価:★4)

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