[コメント] エリジウム(2013/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
よくあるヒーロー型でないのがまずいい。デイモン君は丸坊主で、到底イケメンには見えない。しかもちょろいワルでほとんど刑務所暮らし。食べていくのにやっとの肉体労働をさせられているが、哀しいかな権力者のミスで大量の放射能を浴びる始末。ほとんど救われずみっともなく、見てはいけないようなディモン君がそこにいる。
でも、これがいいんだよなあ。ヒーローではない。社会の下層に位置する虫けらだって生き延びるためには何でもする。エリジウムにさえ行けば命は助かる。そのためにだけ彼は行動を起こす。普通のストーリーだよね。アクション映画を見慣れている人たちからはある意味退屈でさえある。
でもこれがいいんだよなあ。(相変わらず僕もしつこい) そういう普通の、市井の人間が人を救う。これって、ひょっとして(あちこちでキリスト教のうんちくもあったけど)救世主(キリスト)のことを言ってるんじゃあないの?とまで思ってしまう。自己犠牲は絶対、社会変革には必要なのである。
と、映画館を出てから執拗に僕は考える。(そういう高度で良質な映画ではないのになあとは一方では思いながら)
そう、この映画はたとえば現代アメリカもしくは日本などの社会状況構造・グローバル的にはアメリカと発展途上国との関係を揶揄しているように思われる。でもハリウッド的にはこれさえ映画のネタにしてしまう底抜け資本主義の姿を見ているだけなんだという冷酷な事実。
あれほど憎たらしいジョディ・フォスターやシャルト・コプリー の熟演技ぶりを見るのも楽しい。見応えがありました。ディモン君は人柄の良さもあるんでしょうが、儲け役です。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。