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[コメント] シュアリー・サムデイ(2010/日)

青春ものでこういう映画が一本あったらいいなあ、という妄想のもとに組み立てられた奇想天外な話が、結構熱く僕の気持ちを揺すぶる。若くして馬鹿やっちゃったために辿る道を失った5人の再生の物語である。
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**ネタバレ注意**
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5人の子供時代まで遡る熱い想いやそれぞれのその後のつらい漂泊ぶりなど、意外と小栗旬はしっかり丁寧に描いている。手抜きはしていない。彼の熱い想いも映像を通して僕たちに即伝わってきている。映画が好きなんだなあ、という共有感もある。

2時間強とても楽しく見ることが出来た。まさに青春の挫折と、這い上がることへのきらきらした汗が感じられた。超大物俳優たちのカメオ出演も楽しく、彼が好かれているんだなあという微笑ましさも伝わってくる。

でもこの作品、リアルという視点から見始めると見事に失敗する。そもそも冒頭の文化祭開催に絡む爆破事件から始まる一連の行動は漫画のようなものなのである。ちょっと現実から遠のいてギャグ的な感覚で見るべきものなのである。そんなことあり得ない、とか言いだすとこの映画の魅力を削ぐことになる。

そういう観点から映像を見つめていくと、今挫折している若者、這い上がれないひとたち、若くしてみんなで何かをやろうとして同じ所を見つめていた人たち、そういう人たちの切実な想いが画面から我々に飛び込んで来る。

たまにはそういう夢想空間に浸ることも現代人には必要ではないか、と思えてくる。好きですね、この映画。見ている間だけは何かを忘れさせてくれます。小栗旬なかなかやるよ。

(評価:★4)

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