[コメント] アバウト・ア・ボーイ(2002/英=米=仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
そのことの捉え方はどうあれ、結局人間は他人と繋がっていたほうが楽しい。 よくあるテーマではある。でも、今までとはどこか違う。何がこの映画を名作たらしめているのだろう。
それは、軽いタッチでとても重いテーマを扱っていること。そして、この手の映画にありがちな展開とは変わった展開を持って来たことだと思う。
例えば、「社会的自殺」などという文句はこういう映画においては禁句だったのではないだろうか。今までなら、マーカスは舞台で「キリング・ミー・ソフトリー」を熱唱し、観客は大きな拍手をし、母親は涙を流して「もう自殺なんて」と言っただろう。しかし、ウィルは飽くまで現実的である。現実はドラマではないことを知っている。
ま、パフォーマンスが結果的に成功した時にはホッとしたけど。「ちょっとした工夫」でリスクの高いことでも成功に導ける、これも素敵なテーマのひとつ。
同様に、ウィルはマーカスの母親とは恋に落ちない。ウィルのお相手はマーカス母子とほんの少しの繋がりはあっても、「ご近所さんだから」で片付けられる程度。この現実感が、この映画を新鮮なものにしているのだろう。
それにしても、ヒュー・グラントは相変わらずセクシーで格好いい!そりゃああんたがウィルなら相手には不足しないでしょうよ。トム・ハンクスとかロビン・ウィリアムスじゃ作れないだろう。
ニコラス・ホールト君もよかった!子役が出る映画では子供に主役を取られがちと聞くけど、彼の生意気で不思議な雰囲気は大人の俳優に引けを取らなかったために、逆に「子供っぽさ」が目立たず、成功したと思う。君は確かにハーレイ・ジョエル・オスメントに収入は届かないかもしれないけど、お姉さんは同じくらいすごいと思ったわよ。
トニ・コレットのノーメイク演技も圧倒。正直ヒューと同じくらいの年齢に見えました(実際は30歳、ヒューは42歳)。勇気あるなあ。
この映画が気に入って、まだ『リトル・ダンサー』をご覧になってない方は是非観て欲しい!同様に、重いテーマを扱いながら爽快感のあるイギリス映画です。お勧め。
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