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[コメント] GO(2001/日)

不思議ちゃん不思議ちゃんと、どうやらここではボコボコ状態みたいなので、ちょっとだけ擁護したくなってきた(でも文はちょっとどころか、かなり長いです)。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







というか、個人的には別にさほど不思議な子という気がしなかったので。

常に相手の先に回って行動しなきゃ気が済まないタイプ。そして相手の反応を常に予想しつつ、思惑どうりの反応を返されるごとに、益々自分に自信をつけていく。相手の意表を突くこととか驚くことを選ぶのは、それらのことがしたいからという以上に、要は相手を動揺させてアドバンテージを取ってないと不安なんじゃないだろうか。こんな風に書くと「なんでぇ、自分大好きなヤな女じゃん」ってことにもなるけど、意外にいると思うんだけどなぁ、こういう子。ことに恋愛なんてシチュエーションにおいては。

そんな感じなんで、予想を越えるシチュエーションに対してあまり免疫がない。ということは裏を返せば、意外に打たれ弱かったりするワケで。ホテルで別れてから、クリスマスの日までって、(具体的にはわからないけど)多分結構な日数だったんじゃないかなぁ。その間も彼女は必死で必死で相手に対してした事を考えて、自分を必死に立て直してたと思う。上手く立ち回っているようで、予想外のことをその場で吸収できるほど柔軟じゃないんだろうな。だから信じさせられてた「血が汚い」なんて言葉がついポロっと出ちゃうのも、彼女なら分かるような気がする。

ラストシーンでは相変わらず同じようなことやってるし、多分よほどのことがない限り自分大好きであり続けるとは思う。でもとにかくまだ若いワケだし、予想どうりに何でも事が運ぶほど世の中甘くもないワケで。傷を負うごとに少しずつカドも取れて、フトコロも深くなっていくんじゃないのかなぁ。多分昔の浅はかな自分を振り返って、気恥ずかしくなる時がきっとくるかと。

そして何より彼女があんな男の子を好きになって選んだことがウレシイ。好きという感情まで打算に塗れてたら、あんな扱い辛そうな子を選ばんでしょ。もっと彼女の思惑通りに動きそうな扱い易そうな男を捕まえて、飽きては取っかえ引っかえやってると思うし。少なくとも人を好きになる感情自体はまだ純粋なんだよ、彼女は。もしかしたら本人の意識してないトコロで、こんな自分を打ち破ってくれる人を求めてるのかも(あくまで深読み)。ともあれ彼女は彼女なりに悩んで成長していると思うので、(好きとは言えなくとも)良くも悪くも個性として認めてあげたい、とは思う。

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本筋以外で長くなってしまったので、在日のことだけを少し。

とは言っても、ハイタカさんのコメント「彼は決して”根無草”ではない」の一言に尽きるのですが。あまりこの問題自体に明るい方ではないので、大したことは言えませんが、少なくとも自分には”根無草”というのは、「在日」という存在自体を否定的に考えた上での言葉として聞こえてしまうのですが。「在日の何が悪い」みたいなことを本当に思っているのなら、あえてルーツから外れて”根無草”になる必要なんてないと思うのだけど。何だか彼自体が無意識のうちに、自らの存在を恥じているような気さえしてしまう(まあそれは「植え付けられた」類の意識だけど)。周りと付き合い易いように変わることよりも、どうあがいたってみんな違うワケだから、それぞれの違いをお互いが認め合う。そのことでしか「差別」というのはなくならないと思うんですけど・・・。

(2002/12/4)

(評価:★3)

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