まるで個々のエピソードをサスペンスで（少々イビツに）串刺しにした映画といえば良いのか・・・。「人々の反応を追った話」というなら、いっそのことサスペンス部分をもっと簡略化した方が、映画的には引き締まったような気も。構成を整理して話がスムーズに流れれば、もう少し短い映画にできるような（と、要らぬお世話を）。映像の美しさに目を奪われがちながら、どこかギクシャクしている印象が拭い去れない。

とはいえ、映像。ことに天窓ガラスの割れ目から、階段ホールへとハラハラと落ちる雪のショットなど、やはり息を呑むほど美しい。

(2002/11/30)