多くの人が思い浮かべるのは『悪魔のいけにえ』。でもあれは、狙ってるのか狙ってないのか良く分からない底知れなさが怖いワケで。狙ってるのがありありと分かっているのに嬉々として突っ走っているのが、観ていて居心地悪い。『いけにえ』はどだい真似をしようとしても真似できない境地までいっちゃってるのだから、も少し謙虚な位置からリスペクトしても良いのではないかなぁ、と。

というか何というか、あまりに表面的。血の臭いも腐臭もただれた空気も何にも伝わってこないという意味で、ごちゃごちゃしているようで何気に体裁整えてるっつうのか、要はキレイ。ハエとか蛆とか集ってなさそうなんだもんな。こういうサンプリングみたいなのは、余程のセンスがなければ自分的には我慢できても中篇程度まで。やっぱスタイル先行のホラームービーは自分には合わないや。恐怖とか戦慄とか謎とか狂気とか、そういうスタイルとは別のものが観たいのです。

(2007/6/3)