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[コメント] 雲のむこう、約束の場所(2004/日)

あり得ない透明感というものが、こんなにもイヤらしいものなのか。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







製作者的にはいろいろ狙いはあるのかもしれないけど、「僕の世界の中心には君がいなけりゃ」とか、結局はそんな程度の効力。壮大な展開がミクロ単位に収束する、みたいな構図は分かるけど、そういうのはミクロに至るまでにどれだけ壮大な世界を繰り広げられるかが大前提。明らかに描き込み不足なので、意図が分かれば分かるほど、どうにも居た堪れなくなってきます。

それだけならまだいいけど、前半の展開。ノスタルジックというよりは、まるで恋愛シュミレーションゲームでもやってるのかと錯覚しましたよ。全く体温の感じられない登場人物たち。いわゆる(胡散臭い)平凡な主人公のために、都合よくあつらえた人形のような女の子たち。そして、どこに行っても必ず女の子が寄ってくる親友の男の子。でも彼が隣にいる理由は、「そんなにモテ筋なのになぜかヒロインが気になるのは平凡な主人公」という、それはもうお決まりの比較級。ハッキリ言って透明感はありますこの世界。都合の悪いものは一切描かれてないがゆえの透明感ですが。

一人十役の作品ですか。自閉気味になってしまうのはこの際構わないし、自主制作臭の気恥ずかしさもそんなに嫌いではありません。ただそれなら、もっと妄想入り乱れてくれてた方が納得もするし、安心もします。

(2006/8/6)

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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