[コメント] カルメンという名の女(1983/仏)
80年代ゴダール、遅ればせながらコレが初体験。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ベートーヴェンの中期から後期に至る弦四に合わせて、靴を投げつけるわ、壁を叩くわ、扉や車のドアを乱暴に閉めるわ、銃を乱射するわ。合わせて車の走行音や波の音まで音楽じみて聞こえる。時折体全体でリズムを刻むような性急なアクション、中でも銃撃戦のクダリはテープを巻き戻したくなる位ワクワクさせられた。平凡な対話になるのを拒むかのような数々の台詞、引用も宙を踊りまくってる。でもって話は言ってみればファム・ファタールの古典。何だか古典と前衛が互いにぶつかりあって火花散らしてるみたいで、コリャなかなかオモシロイ。
でも反面音楽が途絶えて画面が静謐さを湛えはじめると、個人的には何だかコトバが停滞気味に感じてしまってちょっと物足りなかったり(-0.5)。そして何よりヤなのは「学がないから、映画に出させてもらえなかった」という設定。ゴダールがやるとなおさらイヤミに思えるので、やっぱりイヤ(さらに-0.5)。ゴダール先生、オイラはあなたの知性ではなく感性にホレてるのですよ。
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