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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)

良し悪し関わらず、あらゆる言いたいことをひっくるめて一言。「感無量」。確かに破綻が目に付く最終章ではあったけど、最後まで付き合って本当によかった、と思います(長距離走の達成感だけではなく)。ちなみにこの三作目で一つだけ泣き所があるとすれば
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







個人的には、至福の表情で安らかに堕ちていくゴラムの姿。

まるでそれが殺生への罰であるかのように、気の遠くなるほどの年月を卑小な存在として過ごし、煩悶の末に待つ唯一の救いが「安らかに死ぬ」ことだとは。もうそれだけで胸が締め付けられる思いです。ゆえにもう少しそこに至る経緯を、じっくり描いて欲しかったというのもありますけど。ともあれ、ゴラムが落ちていく際に苦悶の表情も狂気の叫びも与えず、おそらくは溶けていく苦痛すら感じずに彼の生を閉じたトコロに、(原作者か監督か分らないけど)ゴラムは決して悪役として突き放せる存在ではなく、あくまでも哀しい生き物として描いているスタンスが伺えるような気がしました。おそらくは、誰もが一歩踏み外せば、そうなりかねない存在として。個人的には、久々に出会った忘れがたき「脇役」だった。

そのゴラムと共に失ったフロドの指。深い痛みと二度と癒えることのない傷を追った彼が、その傷、喪失感と上手く付き合っていくには、しばらくは時間がかかるのかもしれない。しかし、何で大活躍のサムではなくフロドが選ばれし者だったのだろう。おそらく個人的には、あまりに無垢というか、一途で邪気のないサムでは、その荷はあまりに危険すぎたのだと思う。その一途さが方向を狂わされると、という意味で。そのサムとゴラムの間に挟まれて、迷いながらも進みつづけるフロドは、その「等身大さ」ゆえに感情移入のし易い、絶妙な主人公だったと思う。

「映画」についての感想は今回は控えて、最も心に残ったことを書かせて頂きました。

追記:全体を通しての総評は、今のところ★4.5位かな。通しでみると変わってくるのかもしれないけど。結局原作未読のままだし、読んだら変わるのかな?それと気になるのが、大団円。三作目単体で見るといささか冗長な気もするし、全体を通してみると、短か過ぎる気もするし。。。いつかまたぶっとおしの旅に出たいと思います。今は疲れたので(笑)

(鑑賞:2004/02/14)

(評価:★4)

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