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[コメント] シン・エヴァンゲリオン劇場版(2021/日)

さあ、評価をすることに困る映画がとうとうやってきました。これで(多分)最後だと思うと感慨深いが、「いい幕引き」はできたと思います。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







さあ、何から話そうか。ネタバレReviewといえ、あまり言いすぎるのも野暮なので、遠回しな言い方するかもしれません。まずは、いきなり新所原駅が出てきたので、びっくりしました。愛知県民としては、わりと馴染みのある場所だったし、天竜浜名湖鉄道乗ったことありますが、『君の名は。』の飛騨古川駅以上の「聖地」になるかも。

映画としては「Q」を補完する描写が多かったです。英語題が「3.0+1.0」なのも、そういう理由でしょうか。そして「なつかしい人達との再会」。なんとなく「ほっ」とできる前半。農作業とか、お風呂とか、読書とか、そういうことに安らぐあとの「さよなら」は驚かされた。「別れ際に、さよならなんて、悲しいこと、言うなよ」

そしてアスカ。なんだか「裸」シーンが多すぎるのは、あまりいい印象じゃないが、「人」として一番成長していたと思う。今回、また露骨にフラグが立ったが、アスカの存在意義が全部塗り替えられてしまった。苗字を「式波」にわざわざ変えたのは、そのせいなのか?と勝手に想像したが、どうなんでしょうか。「あんたバカぁ?」

そして存在意義が変わったもう一人、マリ。「破」で登場したときは「属性てんこ盛り」で「個性」がなかったし、今回も相変わらず「ニャニャニャ〜」とか言っていたけど、ようやく最後に「居場所」ができた。貞本義之氏のマンガ版「エヴァ」の一番最後に、マリが登場する話があったが、それを生かしたのか、最初からこのためにマンガに書き加えたのか。「モード反転、裏コード」

そして最後まであいまいだったのが、カヲル君。わざわざ加地さんまで引っ張り出して、「渚指令」って。エヴァシリーズ全般にいえるのが、カヲル君人気に引っ張られすぎたのかな?という印象です。「僕は君に逢うために生まれてきたのかもしれない」

「序」「破」をちゃぶ台返しした「Q」で一番矛盾が生じたのがゲンドウ。最初から何か裏目的があったとは思うが、「ネルフ」という組織と「ヴィレ」がなぜ分かれたのか、そこは最後まで描かれなかった。ゲンドウの目的は、結局は「旧劇場版」と変わっていないのだが、もう「使徒」と「エヴァ」の区別も曖昧だ。そう意味の「つじつま合わせ」は失敗したと思う。「その為のネルフです」

今回、私がエヴァの登場人物のなかで一番好きな「冬月先生」。過去三作はずっとゲンドウのお守りだったが、今回は「見せ場」があったのは、ちょっとだけうれしかった。「覚悟」があった人だと思う。「見送る」ためにマリを遣わせた場面はよかった。でも、でも本当は、ゲンドウとは別のベクトルで「やるべき事ができる人」だと思っている。本来ならば「組織のNo.2」って大事だ。「No.2」がしっかりしていればこそ、下の者が動けるんだ。しかし新劇場版通してでは冬月先生は「No.2」ではなく「ゲンドウのお守り」の役目しか与えられなかったのが悔しくて。「また恥をかかせおって」

愚痴っぽくなったので話を戻すと、「シン」という映画としては、いい幕引きだったと思う。終盤に「初号機 Vs. 13号機」の場面で、ミサトの部屋や学校で戦った場面では笑ってしまった。これは映画を観ているものの記憶に寄り添う「サービス」だったのかな?。そして「初めての、そして最後の親子の会話」。ゲンドウもシンジと同じだった。そしてユイは「そこ」にいた。できれば、「冬月先生の教室」の場面も欲しかったね、最後のマリを考えると。そして、ゲンドウの「願い」は、大切な人を亡くしたすべての人の願いと同じだ。誰かのセリフで、「辛いのは、あなただけじゃない」というのがあったが、それはゲンドウにこそ掛ける言葉。言うのは誰だ?ユイがいないので、それはやはり冬月先生しかいない気がするが、結局シンジに役目は回ってきた。最後に解き放たれたゲンドウの顔が見られてよかった。「あの人はとてもかわいい人なんですよ、みんな知らないだけです」

シンジ君は後半に急に物わかりが良すぎるようになったが、前半のイジイジからしたら、それでいいです。「動け!動け!今動かなければどうにもならないんだ、だから、動いてよ!」

この映画の中で私が泣いてしまった場面が一つ。なぜかミドリと鈴原サクラが銃を向けるシーン。ここでの「ミサトさん」に泣いてしまった。「行きなさいシンジ君、誰かの為じゃない、あなた自身の願いの為に!」

劇中で流れる曲は、ちょっと微妙。特に「VOYAGER」は、ユーミンに失礼。「ぶざまね」

ああ、エヴァもこれで(多分)見納め。ちょっと寂しいが、三度目の正直で、ようやく「ちゃんと幕引き」できた気がします。最後のシーンで、ここでこそ「おめでとう」のあのシーンが似合うと、ちょっと思った。心の中で「おめでとう」とシンジ君に伝えたよ。「僕はここに居てもいいんだ」

おまけ:最後に宇部新川駅が登場するシーン。庵野監督の故郷らしいが、駅前のホテルの方はびっくりしたでしょうね。シンジ君、背、伸びたね。

(評価:★4)

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